テクニック以前に!(最低限知っておきたいカメラの基礎知識)
さてさて、素敵な写真を撮る前に必ず覚えて欲しいカメラの基礎知識を幾つか紹介したい。カメラをマニュアルで操作する上で絶対に欠かせない知識だ。ざっと列挙する。
一個づつ順をおって出来るだけ簡単・分かりやすく説明しよう。ホワイトバランスを除く4項目は、個別に考えず、必ず組み合わせて考えるようにしましょう。
【露出】
露出とは画像そのものの明るさのこと。
露出は、絞り+シャッタースピード+ISO感度を組合せた結果として決定される。人間の目で見た自然な明るさを適正露出といい、明るすぎる場合露出オーバー、暗すぎる場合は露出アンダーという。
本ブログでは基本的に露出は結果であって、露出をコントロールする…とは考えないで勧めます。
※ 露出オーバーだから悪いとかではなく、状態を指しているだけ。意図的に適正露出を外すこともある。
【絞り:F値】
絞りとはレンズ内に円形に取付けられた複数の羽根を使って、撮影する部分に届く光の量を調節したり、ピントの合う範囲(被写界深度)を調節する機構のコト。
F値:1.4(小さい) = 明るくなる
F値:8
F値:16(大きい) = 暗くなる
明るすぎる場所で撮影するときは画像を暗くするために、暗すぎる場所で撮影するときは画像を明るくするために、また撮影したい被写体の背景をボカしたい、クッキリさせたい…などを調節するコトが出来る。
F値:1.4(小さい) = ピントの合う範囲が狭くなる(ピントが合わせづらくなる・被写体以外ぼける)
F値:8 (後ろのレンズの途中まではピントがあっている)
F値:16(大きい) = ピントの合う範囲が広くなる(ピントが合わせ易くなる、背景以外はだいたいあってる)
絞りを絞って解放されている穴の大きさが小さくなっても、カメラに映る画の画角が変わらないのはオモシロイですね。
まとめ:絞り
値が小さい(明るい・ピントの合う範囲狭い) < 値が大きい(暗い・ピントの合う範囲拾い)
【シャッタースピード】
シャッターをどれだけの時間開放して、レンズに写っている画を焼付けるか…を表す値。1/2000、1/60などの数値で表され、数字が大きければ大きいほど(シャッター速度が遅い)長い時間を、小さければ小さいほど(シャッター速度が速い)短い時間フィルムやカメラのセンサーを光に晒す。
シャッター速度が遅いとその分写真は明るくなり、速いほど写真は暗くなる。また、遅いシャッター速度では、手ぶれや被写体ブレ(動いている被写体がブレる)が起こりやすく、速いと動いているものでもまるで静止しているように写真に収めることが出来る。
シャッタースピード速い:水滴が止まっているように映る
シャッタースピード中:水滴の形状を残しつつ、被写体がブレる
シャッタースピード遅い:被写体がブレ、ひとつの塊になる
シャッタースピード速い:水のカーテンの細部まで解る
シャッタースピード遅い:水のカーテンがまとまって筋になる
またシャッターを長時間開けっ放しにすることによって、光の弱い夜景や星なども画像に収めることが出来る。ただしあまり遅くし過ぎるとノイズで画像が荒れる。
まとめ:シャッタースピード
値が小さい(開放時間が短い・暗い・ブレにくい) < 値が大きい(開放時間が長い・明るい・ブレにくい)
【ISO感度】
フィルムで写真を撮るときに、扱っているフィルムがどれくらい敏感に光に反応するかを表す指標。200、400、1600などの数字で表され、数字が大きいほど敏感で暗い場所での撮影に強い。また数字の大きい敏感なフィルムほど、ノイズが入り、画像が荒くなる。
デジタルカメラにおいては、センサーの敏感度をカメラ側でコントロールすることができるのだが、感度の指標をISOと同じ表示にし、フィルムの場合ならどの程度のISO感度に相当するか…と表現している。フィルムと同様、高感度にするほどノイズが増え画像が荒くなる。
※ シャッタースピードと繰り返しの写真になるが解りやすいため
ISO感度高い:ノイズが多い
ISO感度低い:ノイズが少ない
まとめ:ISO感度
値が小さい(キレイ・暗い) < 値が大きい(粗い・明るい)
【ホワイトバランス】
室内で写真を撮ったときに、不自然な色(緑がかったり、橙がかったり)に写ってしまったことはないだろうか?本来、太陽の光と蛍光灯、白熱灯など、光源(何によって発生する光か)によって変わる色(色温度)を補正し、白を正しい白として残すため、デジタルカメラで採用された機能。
※ 以下は、蛍光灯と少しの外光が混じった状態で撮影
まとめ:ホワイトバランス
人間の目ってなんて優秀なんだろう!!!
細かいテクニックを除けば、マニュアルカメラでコントロールする必要があるのはこれだけだ。そんなに難しいことではないけど、どう組み合わせたらいいのか、解らないヒトも多いだろう。
次回は実際にこれらをどういう基準で設定していくか?について言及したい。
続く…